ホシクン

夢は飲食店開業!寄り道まみれな日々。ほぼ月木更新。

判断誤って後ろを振り返るんだ






 こんばんは。
お疲れモードです。ホシノです。



 仕事が始まる前は、
正体不明の不安感に襲われていましたが、
未だにそれと闘っておるです。

 「この不安感、前にもどこかで感じたことあるぞ」
と、今夜気づきました。

 どこでだったっけ。

 うーん、と体に聞いてみると、
すぐ思い出せました。



 高校生の頃、初めてのアルバイト。
花屋さんにて。

 個人経営の花屋さんで、
従業員は、おばさん社長と私。二人のみ。

 出勤して間もなく、怒られる。
「もっとデリケートに扱いなさいよ!!」
みたいな。

 客が来なくて暇になる。
「ちょっと、ホシノくん。肩揉んで」
と、お願いされる。

 女性の身体に触れたことのない、多感なお年頃の私が、
何故オバハンの女体を揉まねばならぬのか。

 しかし、嫌だとは言えない。

 我慢して揉んだ。
何故か息を止めながら。

 「ホシノくん、段ボール捨ててきて」
とお願いされる。

 どこに捨てればいいですか、と聞いたらば、
「公園に決まってるでしょ。一応不法投棄だから人目に触れないようにね」
と段ボールを押し付けられる。

 公園のゴミ箱まで行って、
辺りを見回し、誰もいないことを確認して、廃棄。

 公園のベンチに腰掛けて、サボタージュする。
一息ついて、フと我にかえる。
 「俺は何をやっているんだ」、と。

 そんなこんなで、営業時間終了。

 「働く、って大変でしょ」
と、オバハンと雑談モードになる。

 「えぇ、まぁ」と答えると、

「私言い方はキツイかもしれないけど、
間違ったことは言ってないはずよ。

私のところで働ききった人たちはみんな、
『ここで働けてよかった』って言うわ。
ここで働ければどこででも働いていけるはずよ」

 と、オバハン。

「そう思うでしょ?」と言われ、
「そうですね」と、ホシノ。

「じゃあ、またあした」と帰路に立ち、
ホシノはひとり感じるわけです。

「なにか間違っている気がするんですけど・・」。



 一ヶ月後、人生初の給料を貰う。
自分の手で稼いだお金を初めて手にして、
家族にケーキでも買って帰ろう〜
などと考えていると、
「じゃあ、また明日ね」と、オバハン社長。

「明日はクリスマスツリーの注文が入ってるから、
デザインよろしくね」と、言われ、
「はい。また明日」と口では答えるも、

「給料貰えたし、もう来ません」
と、バックレを決意。

 翌日、携帯電話に数十件の着信履歴。
「あ。そういえばクリスマスツリーどうなってるんだろう」
と思って、タクシーを走らせ、車内から店を覗くと、
オバハン社長がクリスマスツリーをこしらえている。
配達員を巻き添えにして。

 配達員さんは、ゴメンなさい。
と念を送りつつ、私はすばらしい解放感に清々しい気持ち。

「自由だ〜〜!!!」、みたいな。



 その翌月、
寿司屋でバイトを始めてみる。

 今度はチェーン店でのバイトだから、
理不尽なことを言われることもないだろう、と。
「心機一転、がんばるぞ〜」と、初出勤。

 「『ホシノ』くんね〜よろしく〜」
と、若い感じのお兄さん。

 よろしくお願いします、と挨拶を済ますと、
「ところでホシノくんは右利き?」、とお兄さん。

 「はい。右利きです」と答えると、
「そっか〜じゃあたまには左手で慰めてあげなきゃだね〜」
と言われ、「はぁ、、」と。ハテ、なんのことかと思ったら、
数秒後にマスターベーションの話題であったことに気づく。

 ホシノはただでさえ下ネタへの免疫が弱いのに、
「出合頭から・・シモネタ・・?」
という違和感を抱き、早くも先行きに対する不安を感じさせられた。

 そんなかんじで、
寿司屋は寿司屋でフリーターの吹き溜まりみたいな場所になってしまっていて、
口を開けば、セッ久の話題。会話の相性が悪いの、悪いの。

 「なにか!違う気がする!!!」と、俺。

 そこも結局、一ヶ月分の給料だけいただいて辞めるわけで。

 その翌月からパンバイトを初めて、
ここはなぜか、6年間続いたわけですが・・



 で、現在の職場。
とにかく不安感と恐怖に苛まれている現在。

 この不安感は、
かつて一ヶ月で辞めてしまったバイト先に対する
「何かが違う気がする」という気持ちによく似ていることに気づいた。

 けれど、別に現職場では、
理不尽な仕事を任されるわけではないし、
シモネタトークに花が咲くわけでもない。

 何に対して不安であるのかはよくわからないけど、
たぶん、現在の自分といろいろな相性が悪いのだと思う。

 仕事の技量やら、先輩方との年齢差やら気質の差やら。
みんなタバコ吸うけど、俺は吸わないし。

 悩みを共有できる同僚・仲間もいない。

 たぶん、そういうズレが積み重なって、
居心地があまりよろしくないのではないか、と。

 そんなことを考えておるです。



 だけど、ここはそう簡単に辞めてはならない気がする。
しばらくは、いろんなことが馴染んでくるまで、我慢・辛抱していかねばならぬ気がする。

 だから、まぁ、ホント、
「合わないから辞める〜」というのができない代わりに、
「居心地悪いけど、自分をそちら側へ合わさねば」
という気疲れに襲われていて、それが私の体力消耗の大部分を占めているわけで。



 そんなかんじなのです。