地面が震えて砕けた
ホシノは、小説が嫌いである。こんばんは。
本はちびちび読むのだけど、小説を読むことはめったにない。
だいたい人文書とかエッセイとか、そのあたりの方が好きで、ここ5年の間でも読んだ小説といえば、「四畳半神話大系」「博士の愛した数式」「世界から猫が消えたなら」「イニシエーションラブ」て感じで、一年に一冊ペース。
「小説なんか読んでいても、得られる知識は何もない」というのがホシノの立場で。たしかに、心が、良き気色に揺らいだりするのはおもしろいけれど、そういうドラマみたいなものは〈読む〉には時間がかかりすぎて、なんだか時間を浪費している心地がする。すごくもったいないのである。
映像にしてくれた方が、省エネだし助かる。というロマンレスなサガ。
ただ、食わず嫌いもよろしくないので、ほんのときどき小説を手に取ったりするかんじ。
そんな会話をしていたら、「1Q84、読めば?貸すから」と言われ、去年の秋口に村上春樹デビューを果たした。のんびりページをめくりつつようやく昨日読み終えたところだけれど、結論から言えばかなりオモシロく読めちゃった。ペロリと。
春樹さんの作品はなんだか哲学的で、ドラマが進行する途中でチョイチョイ「人生とは」みたいなことが語られている。我々が世の中に対して、〈感じ取ってはいるけどうまく言葉にできていなかった気持ち〉を、「言われてみればそうだ!」という表現に落とし込んでくれていて、なんかスッキリすることが多かった。これを読み終えたときには、たくさんの収穫があった気がする。
春樹さんの本は、もう少し読んでみたい。ねじまき鳥クロニクルが気になっている、なう。
どうでもいいけど「ロマンレス・サガ」って、ゲームのタイトルみたいで中二クサい。そんなかんじ。